仮想通貨の優位性にロシアが注目 !!

ロシア

モスクワの南東にある旧ソビエトの自動車工場は、サイエンスフィクション映画の一場面のようだった。

高い棚からはみ出たコンピュータプロセッサが何重にも積みあげられ、熱気が噴出している。 ラップトップのファンから放出される熱のその約1000倍の熱気である。

倉庫は9,000平方メートルの広さを誇り、かつてここではソビエト製のボックスカーが生産されていた。それが今や、ITソリューションカンパニーRadiusGroupを経営している、プーチン大統領のインターネットオンブズマンを担当しているDmitry Marinichev氏が管轄する倉庫となっている。

Dmitry Marinichev氏は、2014年にインターネット企業と政府の間のリエゾンとしての役目を果たすために任命された。 彼は最近、経済活動重視・親クレムリンとは真逆の立場を標榜するロシアの「Party of Growth」(政党)のリーダー候補4人の中からリーダーとして選任された。

Marinichev氏は現在Russian Mining Centerを建設しており、このプロジェクトを通して、ロシアが仮想通貨にロシアがもっと関心を持ってくれればいいと願っている。

仮想通貨は複雑なアルゴリズムを伴うコンピュータによって「採掘される」仮想コインのことである。 最も有名で広く親しまれている仮想通貨はBitcoinである。 これは「ブロックチェーン」と呼ばれる共有データネットワーク上に存在し、中央銀行や中央権限を持たないため、銀行や政府の関与を必要とせず、直接人と企業の間で取引を行うことができる。

これまでのところ、Marinichev氏と彼のパートナーはプロジェクトに1,000万ドルを投資してきた。 彼らはまたICO — IPOの仮想通貨に相当– で4,300万ドル相当を調達し、年末までにRussian Mining Centerに約5倍の「採掘コンピュータ」を増設する計画を立てている。

彼らはコンピュータ自体を製造している。 ホストを務め、Marinichev 氏は3Dモデリングされたマザーボードがはんだ付けで取り付けられたハイテク組立ラインを展示している。一部はRussian Mining Centerで使用されるが、一部は他の採掘オぺレーションに売却される。

Marinichev 氏いわく、「まず第一に、これはビジネスだ」「しかし同時にこれは、人類の発展に向けた新たなマイルストーンでもある。」とCNNのインタビューに回答した。

 

キャッチアップ

ロシアでは、政府による仮想通貨の受け入れ体制は、他国よりも後れを取っている。

米国や欧州の大多数とは異なり、現在のロシアでは仮想通貨の決済やルーブルに両替することは違法である。

中央銀行も同様の立場をとっている。 9月には、仮想通貨の匿名性が「マネーロンダリング、テロ資金の調達」に一般市民を巻き込む可能性があるという警告を出した。

中央銀行は、仮想通貨を金融商品として合法化することを検討することは時期早尚と述べた。 ロシア銀行の副総裁は、10月に、銀行が仮想通貨を販売するウェブサイトを制限する施策をとることを検討しているという。

Marinichev氏は、仮想通貨、そしてそれを支えるブロックチェーン技術がロシアの将来にとってどれだけ重要であるかを、彼のプロジェクトを通してロシア政府が認識することを望んでいる。

しかし彼は、すでに手ごたえを感じつつある。 6月にプーチン大統領は、Bitcoinに最も近い競争相手であるEthereumの発明者であるVitalik Buterin氏と会合した。 この会合は、ロシアにおける仮想通貨コミュニティを興奮させた。

会談で、クレムリンは「大統領は、有望なロシアのパートナーと提携することを考えている。」と発表した。

プーチン大統領は最近、財務省と中央銀行総裁などの高官との会談を行い、仮想通貨が「重大なリスク」を伴うものであり、犯罪の温床となる可能性があることを話し合った。
しかし一方で、ロシアは仮想通貨を規制する手段を整備する必要があるとも主張している。

この件については、議会の下院であるロシア政府のDumaの特別作業部会で話し合われることになった。困難を極めている。部会をまとめる刑法の教授Elina Sidorenko氏いわく、取引の匿名性とアンチ・マネーロンダリング・スタンダードを仮想通貨の決済に適用する困難さについて最も懸念しているのだと言う。

一方で彼女はCNNに、「次々にトラブルが発生している」と回答している。 10月には新しい法律を公布する予定であった。しかし、中国における仮想通貨取引に対する取り締まり、ICOとトークンの規制方法という新しく発生した要因のせいで数カ月間延期せざるを得なかった。

それでもSidorenko氏は、ロシアが「ロシア経済を進歩させる」ために仮想通貨の潜在的利益を無視できないと確信している。

「石油や天然資源に加えて、世界で活躍しているIT専門家、技術者、開発者、コンピュータの専門家たちを確保し、このリソースを活用するべきだと思う。」と語った。

 

ロシアの仮想通貨

ロシアの仮想通貨の起業家はすでに影響を及ぼしている。元物理学者であり、現在はWave社を経営しているAlexander Ivanov氏は、例えばロイヤルティプログラムやバウチャーのようなトークンをユーザーが採掘することができ、仮想通貨の取引や決済を可能にしている、ブロックチェーンプラットフォームをWaveで実行している。

同社は約4億ドルの時価総額を有すると主張し、その事業の80%は他国で行われているという。 Waves社は最近ロシアのバーガーキングの”Whoppercoin”という名前のブロックチェーンロイヤルティプログラムを監督している。そこでは、客がデジタルトークンを蓄積して、店で買い戻すことが可能である。

Alexander Ivanov氏は、彼が感じる仮想通貨の魅力は、ブロックチェーン技術の安定性とにあり、中央集権でないこと、誰も中央主権について気に掛ける必要がない点にあると語った。

彼は、一部の人にとって仮想通貨が「理解しづらいものである」と言っていますが、永遠に理解が得られないとは思わないと述べている。

「ブロックチェーンはインターネットの歴史を繰り返し、おそらくインターネットより大きい存在になると思う。」

寒さから

ロシアが仮想通貨に関心をもつ理由は多数ある。Akimov氏いわく、USドルに支配されていない金融システムの概念という点だ。

「仮想通貨は世界の金融システム全体を変える手段である。」

銀行システムは、現在、米国とEUの制裁下にあり西側の資本にアクセスできない。

「Bitcoinが制裁措置下におかれるとは思えない、なぜなら実体がないからだ」とMarinichev氏は言う。 「Bitcoinは世界を変える可能性がある: 一部の個人、政府、議会が抱く狂気から解き放たれる可能性がある」

これまでに専門家は、ロシアはBitcoinネットワークにある全てのBitcoin「ノード」 — つまりコンピュー — の約3%しか掌握していないと分析している。

ロシアのシェアを伸ばすもう一つの利点は寒い気候にある、とMarinichev氏は言う。つまり、採掘設備を冷却する費用が劇的に少なくて済む。 電気料金も安く済み、利用できる資源がたくさんある。

Sidorenkoの場合、仮想通貨はすこしロシアの冬と似ている:管理は難しいけれども避けられないものだ。

「私たちはこの環境下で生きなければならず、規制しなければなりません」と彼女は発言した。しかし、使用する際のリスクを最小限に抑える必要がある。

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