ビットコインキャッシュのハードフォーク、陣営間のハッシュレート競争について

マイニング

ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash, 略称BCH)は、予定されたブロック番号504031に達し、そこでハードフォーク(すなわちアップデート)をつつがなく完成させた。もともとビットコイン(BTC)からハードフォークして分岐されて生まれたビットコインキャッシュであるから、自分自身のハードフォークは初めてのことであった。

今回のハードフォークの主な目的はマイニングの難易度、つまりディフィカルティーを調整するためのアルゴリズムをDAAに切り替えたことである。

今回の調整には、ビットコインキャッシュの開発に関わった各種団体がバックアップしていた。その中には、Bitcoin ABC、Bitcoin Unlimited、 Nchain以及Bitcoin XTなど大手のマイニング企業、団体が含まれる。

DAAにはEDAという、緊急時にマイニング難易度を大幅に下げるメカニズムが採用されていたが、これが悪い方向に働き、マイナーが押し寄せてきたこともあった。解決のため関係者が話し合って、試験もしてきたが、最終的にBitcoin ABCのチーフ開発者であるAmaury Sechetの主張するDAAプロトコルを採用することになったという。

今回の調整により、ビットコインキャッシュのブロックは600秒間隔で安定して生成されることになり、これまでの不安定さを解消できることになるが、この原稿ひさ執筆の時点ではまだその実証はされていない。

※今回のハードフォークでは2つのコインが分かれて生成されるのではなく、単にビットコインキャッシュ自体のアップデートである。

※今回のビットコインキャッシュの高騰は、s2Xのハードフォークが注視されたことに失望して、それならばと、先にHF(ハードフォーク)して生まれたビットコインキャッシュを買い上げる動きがあったとも報道されている。

ビットコインとのキャッシュの争いはますます加熱し、両陣営の支持者はそれぞれの観点からネット上で優位性や正当性をSNSなどを通して主張し、あるいは価格を上げるために資金を投入して買い上げるというような有力な支持者も見られる。

両者の価格ではシーソーゲームのような波動が起きている。北京時間で11月12日の22:09時点でビットコイン・キャッシュ(BCH)の価格は2426.2米ドルの高値に達した。BCHのハッシュレートも1.261 EH/秒に達したのに対し、ビットコイン(BTC)ではなんと0.458 EH/秒にまで減速しており、これはBCH陣営の40%程度であった。

つまりビットコインキャッシュのほうがはるかにハッシュレートが高くメジャーになっているのに、取引相場価格はBTCの半分以下である。これはなかなかおもしろいことではないか。なぜそうなっているのだろう?
言わずもがな、今回の急激なハッシュレートや価格の変動は人為的な操作である。マイナー(マイニング=採掘をする人)らに支持を呼びかけ、一気にキャッシュ側に移ってくるように煽ったのだ。にもかかわらず、キャッシュは結局ビットコインの価格を上回ることが出来なかった。
ここで言えることは、「ビットコイン(BTC)を買い、ホールドしたまま高みの見物を決め込んでいるユーザはまだキャッシュの買い手、支持者よりずっと多い」という現実があるということだ。
今回の「襲撃」ではキャッシュ派で多くのハッシュパワーをビットコイン陣営から奪い取った。3:1ぐらいに一時期なったはずである。

しかしながら初期のビットコインキャッシュとビットコインの勢力差が大きすぎたためか、今回の「攻め」でも全体の流れを大きく変えるまでには至らなかった。これ以上の無理な攻めは逆に自陣営の消耗になるであろう。自然と、一時期キャッシュ側で増えたハッシュパワーのうち、1.2 EH/秒ほどが一気に減退した。これはどこへ行ったのだろうか?当然、ビットコイン側に戻ったのである。

マイナーというのは義理人情でやってはいない。かならず儲かるかどうかを見て掘っているので、「ハッシュレートが高まれば価格も上がる」というのが実証されなかった以上、さらにキャッシュ側について安いBCHを掘る意味はないわけである。今回はからずも「ハッシュレートが仮想通貨の価格を決める」という說が正しくないことを証明してしまった。価格とハッシュレート以外の、様々な要素が絡んでいるわけである。

今のビットコインキャッシュの価格であれば、送金手数料も安く、ECマーケットには歓迎されるはずであるが、しかしやはり老舗ビットコインの安定性は業者に好まれ、ゆえに相場価格も依然高いのである。CMEグループが今年の年末にビットコインの先物を出すならば、今後もビットコインはさらにユーザを増やしていき、逆にキャッシュのほうは不利になっていくであろう。

今後ビットコイン・キャッシュ側にチャンスがあるとすれば、ビットコインCore側に起きるエラー、例えば突然のPoWアルゴリズム変更などで、マイナーが大挙して移籍してくる先が、ビットコインキャッシュ(BCH)になるだろいうというケースだけではないか。皆さんの意見はいかがだろうか。

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