中国『人民日報』に「デジタル通貨の理想と現実」なるコラムが登場

中国

4月16日、中国共産党中央委員会の機関紙である『人民日報』に、仮想通貨についての「中国共産党」の「見解」と言えるコラムが掲載された。

題名は『デジタル通貨の理想と現実』(経済を読み解くシリーズ)となっている。

※訳注:「数字貨幣」という表現になっています。共産党式の表記法かと思われます。

以下、抄訳である。
「最近世界中でデジタル通貨の相場が不安定になっている。ビットコインは昨年末に2万米ドルのピークから大暴落を続け、7000米ドルを割っており、また一日で11%も反騰している。
市場の荒々しい乱高下の中、各国はデジタル通貨への態度はさまざまだ。

ある国は、世界で最初の法定デジタル通貨を発行すると宣言し、デジタル通貨を後押しする態度を明確に見せている。
それ以上に多くの国は慎重な態度でこの問題を監視し、研究等を進めている。注目点は5つあると言える。

ひとつは、混沌としたこのデジタル通貨に向き合うために、各国の見方はおそらく全く異なるのだろう。ベネズエラが「ペトロ」なるものを出したが、あの本質は債務をデジタル化したと言うべきで、貨幣などではない。

2つ目は、通貨という要素以外のものが混入していることだ。それは国内政治、国際的競争などの要素などである。

3つ目に、世界各国にいる「デジタル通貨ファン」の規模や影響力はさまざまで違いがある。これははおそらくマイナス要素もある。たとえば違法ギリギリのトレード、マネーロンダリングなどだ。

4つ目には、各国の法律の整備、監視・管理のレベルが国によって異なるということ・。

5つ目に各国の認識、アプローチががだいぶ異なること。ある国はその通貨の性質に注目し、ある国ではアセット(資産)または商品の面に注目している、などである。

このようなわけで、デジタル通貨の本質を見定めるには、我々はいまの漠然とした概念を整頓していかなくてはならない。例えば、中央銀行主導の法定デジタル通貨なのかそれとも民間からの非法定デジタル通貨であるのか。暗号化された通貨なのか単なる電子化されたマネーであるのか。うわべだけで中身の無い「劣化版コイン」なのかどうか。

新しいテクノロジは、確かに「貨幣」という概念の境界線をぼやけさせる。理論的には、新しい貨幣経済学が指摘しているのは、貨幣が消えるかもしれないという点だ。つまり、フィアット(法定通貨)はもはや唯一の「取引手段」ではなくなり、そして最後には貨幣を発行する収益により、非公式な、個人的なコインの発行が金融当局に取って代わる可能性があるということだ。

現実世界を見れば、フィアット(法定通貨)の地位はいまだ揺らがないまでも、歴史的には一部の時代、地域で個人貨幣が流通したことも事実である。例えば1920年代にはドイツに出現して破綻した「ハーヴァラ協定」などの例がある。現在では「非中央集権」という特徴を打ち出したデジタル通貨により、私製通貨が法定通貨を脅かそうとしている。
事実、昔に現れた「私製通貨」でも、現代のビットコインのような「プライベートコイン」であっても、各国の通貨発行当局に影響を与えることは間違いない。

しかしながら技術面から言えば、デジタル通貨を全面禁止することは難しいことである。
各国は取引をより注意して投資者を保護し、マネーロンダリングや市場操作を取り締まっていく。

様々な角度から見て、通貨の電子化が現状のシステムに与える影響は計り知れない。直接通貨発行を行う統計の範疇にあり、通貨のサプライ、決算などの効率にも影響する。

デジタル化の時代が到来していることから、「貨幣的なデジタル・アセット」を受け入れていく流れも加速している。
そして当局の通貨サプライについての政策が及ぼす影響も弱まっていくであろう。

ビットコインを始めとするデジタル通貨は、「貨幣的」な性質は実は強くなく、むしろ特殊な資産・商品として扱われる。
であるからその実質的な影響は通貨に対してではなく、金融市場とその安定性へ向かっていくのである。

現有の貨幣および金融体系は自然に生まれたものではなく、法律と政府の管理のもとに出来上がった必然の結果である。

暗号通貨には多くの問題があるとはいえ、その実験は、「超主権的」貨幣の模索という点で価値がある。

貴金属、信用をベースにした通貨の価値のよりどころとは異なるものの、
デジタル時代の「取引をベースにした共通認識」を発掘していく方向へ向かうのである。

当然ながら、価格の乱高下や仕手などの価格操作などの影響を受けつづければ、暗号通貨の決済機能はまともに使えるものではなくなり、「通貨の実験」からはどんどん遠のくであろう。

あるいは、ある特殊な基礎をもつ「デジタル資産」として。歴史という大きな流れの中に咲いた徒花とみなされるのかもしれない。

 

翻訳元:(作者は中国社会科学院金融研究所の所長補佐)

http://world.people.com.cn/n1/2018/0416/c1002-29927015.html

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